ボウモア

導入

スコットランド西岸沖のアイラ島にはボウモア蒸溜所があります。1779年に創業されたこのスコッチのモルト蒸溜所は、非常に古い歴史を誇り、他の蒸溜所とは異なり、ピートの採掘や大麦のフロアモルティングなどの伝統的な製法を頑なに守り続けています。これらの工程は職人たちによって行われています。ボウモア蒸溜所は、スコッチのモルトウイスキーづくりの重要な遺産です。

ピートや製麦工程は海の風の影響を受けます。さらに、第1貯蔵庫は海に直接面し、海抜0メートルの位置にあります。穏やかな日も嵐の日も、モルトウイスキーは海という自然環境と対話しながら熟成していきます。まさに海のシングルモルトです。

このボウモア蒸溜所の特異な立地と伝統が育んだ歴史的な本格感と、潮の香りと甘美な気品を持つ他のシングルモルトにはない独特な味わいがあります。

ぜひ、海のシングルモルト「ボウモア」のスコッチ業界における大いなる遺産とクラフトマンシップをたっぷりとご堪能ください。

ボウモア蒸留所の環境

ボウモア蒸溜所があるアイラ島は、スコットランドの西岸沖に位置し、北から南に島々が点在するインナーへブリディーズ諸島の最南端にあります。この島は手つかずの美しい自然と野生動物の宝庫であり、“へブリディーズの女王”として知られています。ボウモア蒸溜所は1779年に創業され、島で最も古い歴史を持つ蒸溜所であり、女王の島の中心部に位置しています。

この島は淡路島よりわずかに大きいですが、人口は3,500人に満たないほどです。ボウモア蒸溜所を含むこの島には、8つのモルトウイスキー蒸溜所と1つの製麦工場があり、世界でも非常に珍しいウイスキーの島として知られています。そのため、“ウイスキーの聖地”とさえ称されることもあります。

ウイスキー職人たちは、「ウイスキーづくりは、はるか昔、アイルランドからこの島にもたらされた」と言います。この島は海を南下すればアイルランドにたどり着く場所でもあり、ケルトの歴史が色濃く残っています。

島の蒸溜所から生まれるウイスキー、アイラモルトの香味特性は、「スモーキーで潮の香り」と表現されます。

シングルモルトウイスキー「ボウモア」は、アイラモルトの中でもその香味特性をトータルに持ち、海のシングルモルトとして知られています。

ボウモア蒸溜所では、今でも蒸溜所内でフロアモルティングを行い、麦芽を作り、発芽を止める乾燥工程にピートを焚いています。

アイラ島はピート原野が島の面積の多くを占めています。ピートとは、ヘザーや他の植物の遺骸土であり、泥炭や草炭とも呼ばれます。その堆積は100年でわずか数センチしか進まないと言われています。

ボウモア蒸溜所は独自のピートボグ(採掘場)を持っています。スコットランド本土のピートとボウモアのピートの大きな違いは、海藻や貝殻などの海産物が多く含まれていることです。ボウモアのピートボグに立つと、強風の日には海岸に打ち上げられた海藻や海水の飛沫が飛んでくる光景が見られます。潮の香りもたっぷり含まれたピートを焚くことで、麦芽に独自の燻香が浸み込むのです。

海のシングルモルトの由縁の一部がここにあります。

ボウモア蒸留所の遺産

ボウモア蒸溜所には、スコッチのモルト蒸溜所の中でも特別な存在として讃えられる、誇り高い3つの遺産が古くから守り継がれています。

  • アイラ島最古の蒸溜所であり、スコッチでも最も歴史の古いとされる点
  • 現在でも行われているフロアモルティングとピートを焚いた伝統的な麦芽乾燥方法
  • 海抜0メートルに位置する、スコッチで最も古い貯蔵庫であるNo.1 Vaults

他のスコットランドのほとんどのモルト蒸溜所が麦芽製造を委託しているのに対し、ボウモア蒸溜所は21世紀においても稀少な存在であり、キルンと呼ばれる麦芽乾燥塔から煙がたなびきます。現在、メジャーなモルト蒸溜所の中でもおよそ6蒸溜所しかないようです。

ボウモア蒸溜所は麦芽の70%を麦芽製造会社に委託し、30%は自社で製造しています。つまり、現在でもフロアモルティングを行い、麦芽乾燥にピートを焚いているのです。

ボウモア蒸溜所No.1 Vaults(第一貯蔵庫/ヴォルトとは地下貯蔵庫)は、スコッチ・モルトウイスキー貯蔵庫として最も古い歴史を持っています。さらに、海のシングルモルトとして特異な環境にあり、潮の香りに包まれています。

「ボウモア」はゲール語で「大きな岩礁」を意味します。訪れると驚かされるでしょう。No.1 Vaultsは海に直接面しており、波打ち際の岩盤を整地して建てられていることがわかります。貯蔵庫の床は海面下にあり、半地下のような作りです。天候によっては波しぶきが外壁を洗い、嵐の時には荒波が容赦なく外壁に打ち付けます。

No.1 Vaultsは非常に稀な立地にあり、約240年間にわたり原酒の樽熟成に理想的な環境を保ち続けています。湿潤度が最適な深い熟成により、潮の香りが漂いながら原酒と対話し、香味要素に貢献しています。

アイラ島で最も古い伝統と、他のどの場所とも比べられない立地条件が共存しています。まさに海のシングルモルトです。

商品紹介

ボウモア 12年

ボウモア蒸溜所を代表するシングルモルトです。バーボン樽とシェリー樽で熟成し、そのモルトをブレンドしています。ドライなスモーキーな風味と柔らかなフルーティーさが見事に調和しています。全体的に温かみと甘さがあり、強く優美な女王の味わいが特徴です。ロックがおすすめです。

色: 琥珀色

香り: スモーキー・レモン・はちみつ

味: ウッディネス・ダークチョコを想わせる温かみのあるコク

フィニッシュ: 繊細で優美な余韻が長くつづく

ボディ: ミディアムボディ

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